岡田斗司夫氏の「オタク学入門」がオタク独特の感性を長所として
世間に広めるための啓蒙書であったのに対し、 それから9年、オタクの、とりわけその中でも現在主流になりつつある アニメやギャルゲの美少女キャラに「萌え」ることを主とした 「萌え系オタ」のメンタリティに深く言及していくのが本書です。 とはいえ本書がオタのみならず、かなり普遍的な価値を持っていると感じられるのは 本書のキモになってくる「恋愛資本主義」という概念の提示にあるのではないかと。 セカチューやら電車男などに代表される昨今の純愛ブームなどに、 言い表せない胡散臭さや欺瞞を感じている人間は思いのほか多いと思うけど、 本書はそんな感覚をちゃんと理論立てて上手く代弁してくれてます。 文体は顔文字こそ使ってないものの、サイト上での文体とだいたい同じで 「なんだってー!(MMRより)」などのオタクタームやネット用語で満載。 その文体のためなのか、はたまた、すでに読む前のイメージ段階で 「うはwwwオタクキモスwww」という偏見に満ち満ちているものか、 感想サイトなどを見回ってみると、まあ誤読・偏見の多いこと。 論旨としては、やれ、もうちょっと服に気を使って積極的になれだの、 やれ、そんなこと考えてるから女に相手にされないんだ、だの、 二次元に萌えるなんて現実から逃げてる、三次も捨てたもんじゃないだの、 恋愛資本主義という概念の理解にはけっこうな壁があるんだなぁと思うことしきり。 意外と自らもオタクを名乗る人からの内ゲバ的批判が多いのも興味深い。 というかもう、それは誤読ではないんだな。もう当たり前になり過ぎちゃってる。 世界の見え方自体が違ってるんですね。
by backspin1999
| 2005-03-30 20:58
| 読書
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